鉄道会社

PASUMO登場でSuicaと改札乗り入れサービス開始。各加盟店でも相互に利用できるようになる。

07年3月、関東の私鉄や地下鉄、バス会社など約100社の共通IC乗車カード「PASMO」が登場した。サービス当初から電子マネー機能を搭載。駅ナカの売店や沿線の商業施設でもPASMOで買い物ができる。加えてサービス開始と同時に、JR東日本の「Suica」との相互利用を実喝PASMOでJR東日本の改札が使えるうえに、オートチャージ機能も共用。JRと私鉄、どちらの改札を使っても、残額が少なくなると、改札通過時に自動でチャージできる。加えて、Suica加盟店でもPASMOで買い物ができる。SuicaとJR西日本の「ICOCA」、ICOCAと関西地区の私鉄、バスが使える「PiTaPa」など、すでに相互利用を行っているケースもあるが、これらはあくまで改札だけ。それぞれの電子マネー加盟店で相互に使えたり、互いの改札でオートチャージができたりするのは、PASMOとSuicaの例が初めてだ。だが、利便性が上がる一方、ちょっとした落とし穴もある。SuicaとPASMOを重ねて改札や決済端末にかざすと、データが読み取れなくなる。一つの定期入れには、どちらか片方しか入れられないのだ。利用者はメインで使うカードを選ぶ必要がある。例えば今、私鉄の定期券を使う人は、これをPASMOに変えるだけでいい。手持ちのSuicaカードは3月以降、必要なくなる。逆にJRのSuica定期券を使う人は、新たにPASMOカードを作る必要はない。選択を迫られるのは、通勤や通学でJRと私鉄や地下鉄を併用しているユーザーだ。現在、JR東日本やPASMOではユーザー囲い込みに向けて積極的にサービスを充実させている。今後も、さまざまな優待サービスが出そうだ。両者のサービスが出そろった段階でメインカードを決めるといい。

関西地区の私鉄など
PiTaPa(ピタパ)
関西の私鉄や地下鉄535駅と8社のバス会社で使えるポストペイ型IC乗車カード。発行枚数は約55万枚、加盟店は約1万3000店(06年12月時点)
←改札利用だけ→ 西日本のJR
ICOCA(イコカ)
関西地区を中心に、山陰や北陸など、西日本のJR281駅で使えるプリペイド型IC乗車カード発行枚数は約267万枚で、加盟店は154店(06年11月時点)
中部地区のJR
TOICA(トイカ)
06年11月に始まったプリペイド型IC乗車カード東海道線など74駅で使える

相互利用を準備中(PiTaPa) ↑改札利用だけ(ICOCA)↓
 
東日本のJR
Suica(スイカ)
関東地区のほか、仙台や新潟などJR東日本の630駅で使えるプリペイド型IC乗車カード。発行枚数は約1830万枚、加盟店も約9700店と多い(06年12月時点)

07年3月より改札、加盟店とも相互に使える
関東地区の私鉄など
PASMO(パスモ)
関東の私鉄、地下鉄1142駅と75のバス会社で使えるプリペイド型lC乗車カード。5年後に800万枚を発行する目標で、特定クレジットカードを登録すればオートチャージも可能。電子マネー機能も搭載
プリペイドタイプ
利用する前には、カードへの入金(チャージ)が必要となる前払いタイプ。最近では、カードの残額が一定金額を切ると、改札通過時などに自動で入金するオートチャージサービスも開始。モバイルSuicaでは、ネットからの入金ができる。
Suica(スイカ)
1.Suicaイオカード現金などで入金
2.ビュー・スイカカードなど
クレジット機能が付く。そのカードから入金でき、オートチャーシも可能
3モバイルSuica
VISA、MasterCard、JCBなどの大手国際ブランド付きクレジットカードから、モバイルSuicaへチャージできる
ICOCA(イコカ)
1.ICOCAカード現金などで入金
2.スマートICOCAカート
JR西日本が出すクレジットカード「J-WESTカード」会員のみに発行されるカード。J-WESTカードからICOCAへの入金ができるがオートチャージには対応していない
PASMO(パスモ)
1.PASMOカード
現金での入金のほか、PASMOの出すクレジットカード「パスタウンカード」や小田急電鉄、東武鉄道、東急電鉄や京王電鉄などのクレジットカードを登録すれば、オートチャージもできる
ポストペイタイプ
前もってカードへ入金する手間はいらず、利用した金額を後から請求される後払いタイプ。IC乗車カードでポストペイ型を採用するのは、国内ではPiTaPaだけ。クレジットカードの子カードとしてPiTaPaを発行するケースもある。
PiTaPa(ピタパ)
1.ピタバカード
利用した分を自動的に口座から引き落とす
2.クレジットカード一体型
3.クレジットカードの子カード
一体型の場合には、そのクレジットカードから利用額分を支払う。子カードとしてPiTaPaを作った場合には、利用代金は親カードと合算して請求される

新幹線に強いJR東海、西日本は東京−新大阪が1割以上安い

国内を広くカバーするJR東日本、東海、西日本のクレジットカードでも、サービスの拡充が進む。この3社が出す主な6枚のカード(提携カードは除く)で予選を実施。付加機能や加入条件などがやや劣る3枚を予選敗退とした。残った3枚で大きく違うのは、新幹線などの割引サービスだ。JR東海の「エクスプレス・カード」とJR西日本の「J-WESTカードエクスプレス」では、ケータイやパソコンから東海道・山陽新幹線の特急券が買える「エクスプレス予約」を実施。東京-新大阪間の片道(指定普通席)が当日予約でも850円、あまり知られていないが3日前の予約だと最大で2050円も安くなる。両カードの年会費は1050円。これで最高2000万円の旅行傷害保険も付くのだから、年1度でも東京−新大阪間を往復する人なら、カードを作って損はない。
一方、JR東日本の「ビュー・スイカカード」には新幹線利用時の特別サービスはなく、保険内容も見劣り気味。電子マネーでもSuicaとモバイルSuicaにしか対応しないため、利用シーンはおのずと限られてくる。JR東海と西日本では、どちらが有利なのか。違いはクレジットカード会社のポイントにある。JR西日本のポイント付与率は一般加盟店で0.5%。みどりの窓口などで使うと1.5〜3%になる。JR東海はどこで使っても約0.5%。付与率だけなら、JR西日本のほうが得だ。しかし重要なのは、その使い道。JR西日本の場合たまったポイントを移せるのはICOCAだけ(スマートICOCAの会員に限る)。その点、JR東海はポイントをNTTドコモやau、さらにはJALにも移せる。EdyへのチャージやQUICPにも対応するため、持っていれば幅広いシーンで利用できる。

注)JR東海、JR西日本のエクスプレス予約の実質還元率では、東京一新大阪をのぞみ(普通席・指定1万4050円)で利用した場合の還元率を中心に算出。
東京一新大阪(片道)に10回乗車すると1000ポイントが付与され、これが東京一新大阪(片道)ののぞみグリーン料金(5150円)に変わることから試算した

 JR東日本

 JR東日本
ビュー・スイカカード
(JR東日本)
国際ブランド VISA、MasterCard、JCB
年会費 ○ 500円
ポイント実質還元率   △ JR東日本などで利用:1.5%
一般加盟店:0.5%
ポイントの付き方 JR東日本などでの利用:1000円→6p
一般加盟店:1000円→2p(いずれもJR東日本のポイント)
ポイントの使い方 400p→Suica1000円分
600p→新幹線、特急のグリーン車利用券
650p→ルミネ商品券2000円分など
ポイントの移行先の多さ △ 4カ所(Suica、JAL、みずほ銀行、ビックカメラ)※1
旅行傷害保険の手厚さ △ 海外:最高500万円、国内:最高1000万円
電子マネーへの対応 鉄道系 ○ Suica、モバイルSuica
その他 × なし
海外アシスタンスサービスの充実度 × VISA、MasterCard:なし
○ JCB:JCBに準拠
加盟店の多さ ○ VISA、MasterCard
△ JCB
そのほかの特典 定期券としても利用できる※4

 JR東海

 JR東海
エキスプレス・カード
(JR東海・セントラルファイナンス)
国際ブランド VISA、MasterCard、JCB
年会費 ○ 1050円
ポイント実質還元率   ○ エクスプレス予約:約4%+0.5%〜
一般加盟店:0.5%〜
ポイントの付き方 エクスプレス予約:東京-新大阪-100pなど、乗車距離に応じて付与
(新幹線予約のポイント)
一般加盟店:1000円→1p〜(セントラルファイナンスのポイント)
ポイントの使い方 新幹線予約のポイント:600p→こだまグリーン車予約、
1000p→のぞみグリーン車予約など
セントラルファイナンスのポイント:100p→図書カード500円分など
ポイントの移行先の多さ △ 5カ所(NTTドコモ、au、コスモ石油、JAL,楽天)
旅行傷害保険の手厚さ △ 海外:最高2000万円、国内:最高1000万円
電子マネーへの対応 鉄道系 × モバイルSuicaのみ
その他 ○ Edy、QUICPay
海外アシスタンスサービスの充実度 × VISA、MasterCard:セントラルファイナンスのデスク※3
○ JCB:上記に加え、JCBに準拠
加盟店の多さ ○ VISA、MasterCard
△ JCB
そのほかの特典 新幹線の特急券割引(東京-新大阪間ののぞみ普通席が通常予約で850円、
3日前予約で朝6時台ののぞみは2050円割引になる等)

 JR西日本

 JR西日本
J-WESTカード
(JR西日本)
国際ブランド VISA、MasterCard、JCB
年会費 ○ 1050円
ポイント実質還元率   ○ エクスプレス予約:約4%+0.5%〜
JR西日本などでの利用:1.5%〜3%
一般加盟店:0.5%〜
ポイントの付き方

エクスプレス予約:東京-新大阪-100pなど、乗車距離に応じて付与
(新幹線予約のポイント)
JR西日本などでの利用:1000円→15〜30p
一般加盟店:1000円→5p〜(いずれもJR西日本のポイントが付く)

ポイントの使い方 新幹線予約のポイント:600p→こだまグリーン車予約、
1000p→のぞみグリーン車予約など
JR西日本のポイント:3000p→ICOCA3000円分など
ポイントの移行先の多さ △ 1カ所(ICOCA)
旅行傷害保険の手厚さ △ 海外:最高2000万円、国内:最高1000万円
電子マネーへの対応 鉄道系 ○ Suica、モバイルSuica
その他 △ VISA, MasterCard:Edy
× JCB:なし
海外アシスタンスサービスの充実度 × VISA、MasterCard:UFJニコスに準拠
○ JCB:JCBに準拠
加盟店の多さ ○ VISA、MasterCard
△ JCB
そのほかの特典 新幹線の特急券割引(東京-新大阪間ののぞみ普通席が通常予約で850円、
3日前予約で朝6時台ののぞみは2050円割引になる等)
注)※1JAL、みずほ銀行、ビックカメラへの移行は各社との提携カード保有者のみ
※2スマートICOCAカードの保有者のみ 
※3 16カ国18都市 
※4 定期券機能付きカードのみ